帽子な話。no._5 起源

2021年、秋。

母校である杉野服飾大学のファッションプロダクトデザインコースで教鞭を執るチャンスをいただきました。彼らに帽子の歴史や作り方、デザインの仕方などを伝える上で、15歳から始めた私自身の帽子作りと改めて向き合う機会になりました。この機会に恵まれたことに感謝して、このホームページを通して帽子作りやデザインを学びたいと考えている人の手助けになるようなことを書いていきたいと思います。そして、この作業は私自身の学びの記録にもなると思います。

帽子の起源。

帽子の起源は古く、すでに原始時代には帽子の類似品やその前身とみられる被り物があったと言われています。

紀元前4000年頃、エジプト
王が王冠を、一般市民が頭巾をかぶるようになっていたことは遺跡からも知ることができます。
この頃は、帽子というよりは髪飾りや被り物で変化を出していました。王朝時代になると、奴隷から王に至るまで帽子の代わりとも考えられる「かつら」を使用していたそうです。

帽子の役割
日光の直射を避ける防暑や防寒・防塵など、 頭部を守るといった実用的日的のために用いられていました。
やがて集団で生活するようになるにつれ、帽子は階級の象徴であったり自分をより美しく見せようと、装飾の役目を兼ねるようになりシルエットも変化をしていきます。 それは19世紀に入るまでは、指導的立場にある上流階級の人々によって進められ、欧米諸国において作り出されたものが、各国間で互いに影響し合い移動してきます。
そして現在、帽子は身分や階級を示す、あるいは儀礼上といった 用途はごくわずかに限られ、大衆の中から生まれ育つファッションの中で、嗜好による服飾品として幅広くきわめて自由な考えの下に進化をしています。

日本においても古くから烏帽子や頭巾が用いられていました。
本格的に日本で帽子が被られるようになったのは、明治時代になってから欧米の文化の導入に伴う洋装化とおもに普及しました。

日本で初めて作られた洋装用の帽子

ボーラーハット
日本では、山高帽と呼ばれています。慶応2年頃に輸入され、日本において最初に製造された帽子がこのボーラーハットなのです。

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