帽子な話。no._8 帽子作りを学んだ本

私が高校生の頃は「フィーメール」という、ソーイング雑誌をよく読んでいました。初めて作ったデニムのキャスケットは、その雑誌に載っていた作り方を参考にしました。

その後、帽子作りに夢中になっていろいろな本を読み漁り、作っていました。

帽子は、頭が入る部分(クラウン)とつば(ブリム)のシンプルな構成にも関わらず、そのバリエーションやアレンジ法は無限大です。そこに作り手の個性が表れるのが面白いところだと思います。


ここでは高校時代から集め始めて、今でも手元に置いている本を紹介しますね。



デザイナーが提案する初めての帽子作りの本。

「Hats 帽子の本」
小六うらら著
文化出版局

当時の私には、写真も帽子もかっこよく見えました。作り方の解説もわかりやすく、初心者だった私もたくさんの帽子を作った、大好きな本です。
彼女の帽子は、ふっくらとしたボリュームが特徴で、多くの人に似合う帽子が載っています。

「わがままな帽子/初めての帽子作り」
糸山弓子著
文化出版局

この本の表紙にも使われている写真のドレスにウエディングハットのスタイルが大好きでした。
もしかしたら、私の好きなスタイルの土台になっていたのかもしれないと、いま気がつきました。

この本は、トップクラウンとサウドクラウンの2枚はぎのクラウンで構成されたの帽子に特化した本です。基本のブリムの作り方の概念も丁寧な写真資料が載っていて、とても勉強になります。

「おしゃべりな帽子/思ったよりずっと優しい、帽子作り」
糸山弓子著
文化出版局

6枚はぎ、8枚はぎなど縦方向の帽子のデザインで構成された本です。
「わがままな帽子」から少しステップアップした帽子作りがわかります。
いろいろな生地で仕立てられた帽子が載っていて、「あ!こんな帽子もありなんだ!!」と思わせてくれて、デザインのイメージが膨らみます。

「AKIO et AQUIRAX 平田暁夫の帽子」
平田暁夫著
ワイズ出版

日本人の帽子デザイナーといえば、平田暁夫さんですよね。
帽子を学びたいと思った18歳の時、本当は「平田暁夫帽子教室」に行きたかったんです。
帽子教室が存在するのは知っていましたが募集要項が見つからず、お店まで行って聞いたんです。しかし教室は、その前の年までで募集が終了してしまっていて、通うことができませんでした。その時に、初めて平田暁夫さんの帽子を手に取り、試着させていただいたことは、今でも鮮明に覚えています。
この本は、表参道のスパイラルで開催された、平田暁夫さんの作品展で販売された作品集です。
彼の70年に渡る帽子製作の記録。帽子を学ぶなら、ぜひ読んでみてください。ページをめくるだけで価値があると感じます。
表紙の写真は、私が生まれた頃に撮影されたものですが、全く色あせていないのがすごいです。
私の手元にある本は、実はサイン入りなんです。当時、私はパリ留学中で作品展を見ることはできませんでした。代わり見に行った母が、私のためにとサインをもらってきてくれました。今でも私の宝物です。






「スタイリッシュクロッシュ/クロッシュから始める帽子作り」
石田欧子著
文化出版局

著者の石田欧子さんは、帽子デザイナーの平田暁夫さんの長女。
題名の通りスタイリッシュな帽子が多く、仕立ての良さを感じる帽子がたくさん載っています。

少々上級者向けの印象ですが、憧れを持って作ることは大事なことだと思うので、チャレンジしてほしいスタイルがいっぱいです。




the 帽子の教科書。

「帽子講座」
著者・発行者
サロン・ド・シャポー学院

18歳の時に入学した帽子の学校、サロン・ド・シャポー学院の教科書。
帽子作りの基礎から特殊素材の扱い方、装い方まで帽子に関する全てが載っています。

クラシックな挿絵も魅力です。

「文化ファッション大系 ファッション工芸講座①
帽子 基礎編 文化服装学院編」
文化服装学院 教科書出版部発行

歴史や道具、材料のことまで写真付きで解説されています。
また、製図方法のメソッドも載っています。帽子の基礎知識を知るのにいい本です。
デザイン展開の方法もわかりやすく解説されていて参考になります。

「あなた、だけの帽子を作る本①」
坂井 晋 著
星雲社 発売
愛生社 発行

ベースパターンからの展開方法が豊富に載っている、この本。
帽子作り慣れてきて、自分でパターンを展開してオリジナルの帽子を作りたい方におすすめです。
理論がわかれば、自分なりに応用して製作できると思います。





今回は、自分のものづくりの土台になった本をご紹介しました。
最初は、自分で全てデザインしなくてもいいと思います。
真似る事から始めてもOK。自分のペースで、自分に合うやり方でやってみましょう!