もの作りをする人には、誰にでも独特の線や手の癖があると思う
学生の時、ある先生に「あなたの線には意志がない。どういうシルエットにしたいのか、全く伝わってこない。」と、言われたのを今でも鮮明に覚えている
それから、8年
パリでパターンの勉強をし直して、東京に戻り今のモデリストの仕事を始めて3年が経った
最初は助けてもらいながらだったけど、今は自分なりに答えを見つけることが大事だと思えるようになった。先生にいわれた事が、今なら分かる気がする。
作る相手が明確で、その人に似合うように考える
日々洋服を作る仕事をしているけれど、それとは全く違う服作り
目の前の一人の魅力を引き出せる服を生み出せる作り手でありたい
それが出来ない作り手に、もっと多くの人をステキにする服は作れないと思う
相手の希望に寄り添って、その期待の一歩先を意識していきたい
パターンの線一本一本が私の意思で、こう見えて欲しいという願い
与えられた素材を最大限に活かす方法を探すのはとても楽しい
トルソーに布をつり下げて、ステキに見える位置を探していく
そうすると、布がどっちに行きたいか教えてくれる
服が出来上がるまでには、本当に多くの行程が存在する
構造を考えながら、パターンを作り、縫い順序を整理してゆく
段取りよく縫える服はきれいに仕上がる
だから、ちゃんと構造をデザインしないといけない
曖昧な部分を放っておくと、結果的に仕上がった服にそのまま現れる
「きれいに縫い上がるようにパターンを作る」
あまりに当たり前だけど、それが難しい
自分で縫うと、それをより実感する
いつも自分に質問する
「これがホントにベストな方法?」って
うまくいっても、失敗しても、全部次につながっている
自分で訓練していくしかないと思う